令和7年度秋田県立大学公開講座を開催しました

令和7年11月1日と11月16日に秋田県立大学で公開講座を開催し、計78名の方にご参加いただきました。

秋田県立大学公開講座は、例年、学術研究の成果を広く社会へ公開し、県民に高度な学習機会を提供するとともに、生涯学習の推進に資することを目的として開催しています。

今回の講座では、曲げ木の体験や曲げ木を使った小物づくり、ロボットの実演や大型ロボットの試乗体験など、座学だけでなく「見て、触れて、体験して楽しむ」ことを重視した内容で実施しました。当日は子どもから中高生、シニアの方まで幅広い世代の参加者が集まり、会場は終始賑わっていました。参加者の皆さんは、木を曲げたり小物を作ったりする体験に熱中し、笑顔や歓声があふれる場面も多く見られました。また、ロボットの実演や試乗では、驚きや楽しさの声が聞こえ、好奇心いっぱいに活動している姿が印象的でした。

参加者からは、「とても興味深い内容でした」「実際に手で触れて作成したり、木材について知ることができてとても楽しかった。あまり考えたことがなかったことを学べました」「県立大でのロボット研究が地域貢献を目指していることを知ることができた」といった嬉しい声も多数寄せられました。
今回の講座を通して、参加者の皆さんが学びながら楽しむ姿が多く見られ、秋田県立大学の研究や教育の魅力を広く体感していただける機会となりました。


チラシ表面


チラシ裏面

木の4D加工~曲げ木にひそむ科学と魅力~

令和7年11月1日、秋田キャンパスにて木材高度加工研究所足立幸司教授を講師に迎え、公開講座が開催されました。会場には、曲げわっぱなどの曲げ木を用いた木工品や、木をユニークな形に加工した木製品、大きな木の断面など、木にまつわるさまざまな展示が並び、参加者の目を引いていました。

講義では、木の構造や「やわらかい木」の仕組みについてわかりやすく解説されました。講義では、「木の4D」として、⽊の繊維の強さ(1D)、曲げて⾯をつくる知恵(2D)、立体的に動く木の研究(3D)、時間とともに変わる木の魅力(4D)が紹介され、樹木と木材の利用方法の違いについても触れられました。その後、テーマである曲げ木について説明があり、実際にぬれた木材と専用のはがね板を用いた器具で曲げる方法を実演しました。参加者も実際に手を動かして曲げ木を体験し、女性やご年配の方でも力を加えると木が曲がる様子に驚きながら楽しんでおり、会場には大きな歓声があがっていました。
また、木材高度加工研究所で開発した「やわらかい木」の技術も紹介され、参加者は手でねじったり曲げたりして、不思議な感触に笑顔を見せながら熱心に触れていました。講座の中盤には曲げ木の小物入れ作りのワークショップも行われ、秋田県で生産が盛んな木材について、参加者がより親しみを持ち、楽しみながら学べる内容となりました。
さらに、秋田杉とケンポナシを2層に重ねて作ったコースターや、薄い木で作られた「やわらかいしおり」、小さなやわらかい木など、木材高度加工研究所特製のさまざまなお土産も用意され、参加者の皆様には大変ご満足いただける講座となりました。


多くの方にご参加いただきました


机の上いっぱいに用意された木工品に夢中


曲げ木の体験


さまざまな木の香りも体験いただきました


お土産もいっぱい。木粉を練り込んだ「秋田杉うどん」も!


ワークショップの様子


完成!「ソウゾウの森」マーク入り♪



ロボット作りはそんなに大変じゃありません、多分

令和7年11月16日、本荘キャンパスにてシステム科学技術学部 知能メカトロニクス学科齋藤敬教授を講師に迎え、公開講座を開催しました。会場には、齋藤教授の研究室で開発されたロボットや、開発のアイデアとなったアニメ・漫画作品のフィギュアなどが多数展示され、ステージいっぱいに並ぶロボットに参加者は興味津々の様子でした。

講座では、脚や腕の構造を持つラジコン型ロボットによる異種格闘技戦「かわさきロボット競技大会」に出場したロボットや、その対戦の様子を動画で紹介しました。あわせて、「雪下ろしロボ」や「クマ撃退ロボ」など、秋田県の地域課題の解決を目指すロボットの開発に本学が関わっていることも紹介されました。
そのうえで、ロボットを作るために必要な知識や意欲について解説され、「まずはDIYからスタートすればよく、必ずしもハイテクを目指す必要はない」というメッセージが参加者に伝えられました。さらに、講座で学んだ「ロボット制作」を自分でも体験できるよう、ロボットの歩行を可能にする仕組みである「チェビシェフリンク機構」を学ぶことのできる研究室特製の工作キットも用意されました。

講座の後には、中・大型ロボットの見学と試乗体験会も行われました。大きなロボット「おおやぎ」やバイク型のロボットに試乗した子どもや大人からは歓声があがり、会場は笑顔にあふれました。
講座全体を通して、普段は難しそうに感じられるロボット制作の現場も身近に感じられる内容となり、参加者は楽しみながら学ぶ姿がうかがえました。


会場には大小たくさんのロボット


講義に聞き入る参加者


大学祭にあわせてたくさんの方がご来場されました


ロボット試乗体験会の様子


大型ロボット「おおやぎ」に試乗体験!


「おおやぎ」の完成イメージとともにピース!


バイク型ロボットにも試乗いただきました

多くの皆さんにご参加いただき、誠にありがとうございました。来年も皆さんが楽しめるような公開講座を企画していますので、ぜひご参加ください。