【生物生産科学実習】伝統の手植えによる田植えや畑作りに汗を流しました
5月22日(金)、秋田キャンパス実験圃場において、生物生産科学実習(生物生産科学科2年生)の「第6回 生物生産科学実習」が行われ、五月晴れの心地よい風が吹く中、学生たちは水田での田植えや、秋の収穫に向けた本格的な畑作りに取り組みました。本実習には、生涯学習プログラム『いつでも青春キャンパス』で入学した65歳以上のシニア大学生3名も参加しています。一粒のお米、一本の野菜が育つ背景にある技術と文化を深く学ぶ、非常に有意義な一日となりました。■写真はフォトギャラリーからもご覧ください。
手植えによる田植え
本実習のメインイベントの一つが、毎年の恒例行事となっている手作業による田植えです。現代の農業では機械化が進んでいますが、本実習では水田や苗の仕組みを身体で学び、食の大切さを知るために、あえて手植えを行っています。 学生たちは、条間30cm、株間15cmの間隔で張られた目印の紐を頼りに、水田へ一歩を踏み出しました。慣れない泥の感触に「足が抜けない!」「歩きづらい!」と悪戦苦闘し、時にはバランスを崩して田んぼにダイブしてしまいそうになる微笑ましい一幕もありました。しかし、1株につき4本ほどの苗を3本の指でつまみ、やや斜めに植えるというコツを掴むと、声を掛け合いながら見事なチームワークを発揮し、約1時間で水田一面に青々とした苗を丁寧に植え付けました。学生たちは、「普段何気なく食べているお米が、どれほどの手間と愛情で作られているのか身を以て実感した」、「足元が不安定で大変だったけれど、みんなで一列になって植えていく作業は最高に楽しかった!」などという感想が聞かれました。植え付けられた稲は今後も生育を観察し、秋には手刈りによる収穫、そして天日干し(はさがけ)を体験する予定です。ダイコンの畑作り/トマト・ジャガイモなどの管理
畑作りのエリアでは、多岐にわたる野菜の管理実習が行われました。ダイコンの畑作りと播種では、イオウ病に強い晩抽性青首品種「貴宮(たかみや)」の栽培に向けて、まずは畝(うね)の整形と施肥を行いました。周囲に散乱しないよう手袋を着用して慎重に散布と土壌混和しました。マルチ穴あけカッターで穴を開け、ペットボトルの蓋で深さ1cmほどの目安を決めてから、1穴に5粒ずつ種を播きました。乾燥を防ぐため、不織布をゆったりと被せてしっかりと固定し、発芽までは乾燥厳禁のため、たっぷりと灌水を行いました。また、成長期を迎えている他の作物たちにも、適切な手入れを施しました。ジャガイモは、強い芽を2〜3本残して弱い芽を摘み取る「芽かき」を実施。その後、いもの数を増やし雑草を抑えるため、化成肥料を追肥して、鍬を使ってしっかりと培土を行いました。また、大玉トマトとミニトマトは、成長点や葉の裏側を中心に、電動式噴霧器を用いてカルシウム剤の葉面散布を行いました。これはトマトに発生しやすい「尻腐れ病」を防ぐための重要な追肥です。併せて、芽かき、摘葉、整枝・誘引、ホルモン処理など、高品質な実を育てるための通常管理を学びました。田植えの終わりを告げる伝統儀礼「早苗饗(さなぶり)」
全ての作業を終えた学生一同は、稲作民族にとって古くから伝わる大切な伝統行事「早苗饗(さなぶり)」について学びました。「さなぶり」の「さ」は「田の神様」を意味し、「なぶり」は「昇り(のぼり)」が変化したものと言われています。春の種まきから田植えまで地上で稲作を司ってくださった神様が、田植えの無事終了とともに天へお昇りになる。その神様に感謝し、豊作を祈願するのがこのお祭りの本質です。昔の人々が、神前に早苗と御神酒を供えたあと、みんなでお酒を酌み交わすごちそうを食べ、互いの労をねぎらい合ったように、学生たちも今日の達成感を分かち合い、これからの豊かな実りを強く祈りました。【いつでも青春キャンパス】シニア大学生も実習に参加、談笑しながら作業に汗を流しました
本実習のもう一つの大きな見どころは、生涯学習プログラム『いつでも青春キャンパス』で学ぶ、65歳以上のシニア大学生3名の参加です。人生の大先輩である皆さんは、学生たちに負けない瑞々しい熱意を持って実習に臨みました。田植えの場面では、かつての経験や培った知恵を活かし、泥に足を取られ苦戦する若手学生たちを「焦らず、足の指を開くようにして歩くといいよ」「苗は優しく植えるんだよ」と笑顔でリード。最初は緊張していた学生たちも、シニア大学生の気さくなアドバイスに緊張がほぐれ、田んぼの中には世代を超えた温かい笑い声と一体感が生まれていました。また、畑作りでは栽培管理法を真剣な表情で学ぶ姿が印象的でした。ダイコンの播種やトマトの葉面散布など、細かな作業も丁寧にこなし、若者たちと肩を並べて心地よい汗を流しました。参加したシニア大学生からは、「若い人たちと一緒に泥にまみれて作業をしていると、本当に心が若返るようです。お米や野菜を一から育てる大変さと喜びを、この年齢になって彼らと共有できるのは何よりの財産ですね」と、目を輝かせながら語ってくれました。世代を超えた「同期」として互いに刺激し合い、学びを深める姿は、キャンパスに新たな活力を与えていました。秋の収穫期にも、再び皆さんの弾けるような笑顔が見られるのが今から楽しみです。
