『まんぷくすらり』が機能性表示食品として登録完了
令和7年3月24日(月)、秋田キャンパスにて新商品のお披露目と研究成果の発表が行われました。『まんぷくすらり』は、食物繊維と似た働きを持つレジスタントスターチ(難消化性澱粉)があきたこまちの約10倍程度高く、食後の血糖値上昇を抑制する効果があり、満腹感も得られる機能性米です。また難消化性澱粉は、血糖値上昇抑制という機能性以外にも、腸内環境の改善も期待できることから、2型糖尿病や糖尿病予備群、肥満に対しても有用性が期待されます。
研究成果の発表後には、『まんぷくすらり』を美味しく食べるためのレシピ開発に1年間かけて取り組んできた、令和6年度学生自主研究グループ『レストランまんぷく!』が考案したメニューがお披露目され、メディア向けに試食会を開催しました。『まんぷくすらり』は、そのまま炊くと粘りや柔らかさが少なくパラパラとした食感で食べにくいという課題がありましたが、学生たちは知恵を絞り、創意工夫を重ね、何度も試作して、「卵たっぷり雑炊」と「チーズリゾット」の自信作を完成させました。
機能性食品登録の概要
〇届出日 令和6年2月21日〇届出完了日 令和6年4月10日【届出番号I1308】
〇商品名 まんぷくすらり精米
〇機能性関与成分名 レジスタントスターチ
〇表示しようとする機能性
本品および本品の炊飯米には一般の米およびその炊飯米と比較してレジス
タントスターチが多く含まれています。レジスタントスターチが多く含まれる炊飯米を摂取することにより、レジスタントスターチが少ない炊飯米を摂取するときと比べて、健康な方の食後の血糖値の上昇をおだやかにする機能があることが報告されています。
藤田教授のコメント
この度、「まんぷくすらり」の精米が食後の血糖値の上昇抑制としての「機能性表示食品」として販売されることになったことは、他の米との差別化や付加価値を上げる意味で大きなことだと思っています。今後は、さらに機能性の高い高RS米新品種の開発や近年、問題となっている高温障害でも米澱粉の質を維持した品種の開発、米澱粉を用いた生分解性プラスチックの開発など、私たちが得意としている澱粉エンジニアリングを生かしてユニークな米の開発に励みたいと思っています。他にはない、ユニークな米の開発に期待してください!学生自主研究グループのコメント
「まんぷくすらり」の白米は冷めると固くなるデメリットがあるため、レシピを開発するにあたり、温かいときだけではなく冷めても美味しいということを目標にしました。「チーズリゾット」は、お米の固めの触感を生かすために、他の具材も入れて一緒に歯ごたえを楽しめるよう工夫しました。チーズリゾットは、一度冷めたとしても、温めることで美味しさが維持されます。また、「卵たっぷり雑炊」も味だけではなく香りがよく、「まんぷくすらり」の特徴を生かせるのでおススメです!硬いお米ですが、調理を工夫することでまんぷくすらりをお楽しみください!☆『まんぷくすらりプレミウム』(精米2kg入り 3980 円税込)
高RS米品種「まんぷくすらり」は、藤田教授が2003年から開発を進め、2019年12月に農林水産省に品種登録出願、2020年4月に出願公表、2024年8月に品種登録【第30381号】されました。同商品は機能性表示食品です。お米マイスターが特別な方法で丁寧に精米しました。非常に硬いお米なので、調理に工夫が必要です。 同封のレシピを参考にしてお召し上がりください。
㈱スターチテック
代表取締役:秋田県立大学名誉教授 中村保典取締役:秋田県立大学生物資源科学部教授 藤田直子
所在地:秋田県立大学・秋田キャンパス大学院棟M117
問い合わせ先:電話018-872-1705、メール nakayn@silver.plala.or.jp