【いつでも青春キャンパス】ハーブの香りを蓄積する組織を観察

 シニア大学生の西村幸一さん(72歳)は、生物生産科学科川上 寛子 助教[植物資源創成システムグループ、専門:植物工学]の指導の下、『ハーブの香りを蓄積する組織に関する研究』に取り組んでいます。

 天然由来の香りに興味がある西村さんは、植物がどのように香り物質を生産し、蓄積するのか学びを深めるとともに、植物における香り物質生産の意義について考察しています。

 この日は、川上助教が育てているローズマリーやタイム、ミントなど6種類のハーブを対象に、葉の香り物質(揮発性物質)を蓄積する小さな袋状の組織である「分泌性トライコーム」について、実体顕微鏡や光学顕微鏡で組織の表面や横断面などを観察しました。また、シソ科、セリ科、キク科などに分類されるハーブについて、科の違う植物間で「貯蔵組織」に違いがあるのかどうか考察しました。

 西村さんは、「ハーブが持つ香りや薬効など様々な力を、そのメカニズムを解明科学的な視点で解き明かしたいです。特に、食や健康面で私たちの生活をどう豊かにしているのか、さらにはハーブの新たな可能性を引き出せるよう研究を続けていきます!!」と意気込みを語りました。

【生涯学習プログラム『いつでも青春キャンパス』】
 65歳以上の方を「シニア大学生」として1年間、本学で受け入れ、在学生と一緒に学習や研究、課外活動に取り組む生涯学習プログラムです。


川上寛子助教のコメント

 多くの生物、現象に興味を持つ、とてもアグレッシブな西村さん。対話をする中で、特にハーブなど人にとって有用とされる植物に興味があるとのことでした。学生生活が終わっても、ご自身で研究を継続したり、研究成果を眺めては思考を巡らせるような取り組みが良いかと考えて、西村さんオリジナルな図鑑を作ろう、図鑑は図鑑でも様々なハーブの香り成分を蓄積する器官について注目して、まとめてみよう、と研究テーマを提案しました。今後、ハーブの香り成分の機能性について研究している自主研究の学生さんにも混ざって実験します。その際には、ご自身の研究を発展させるだけでなく、どんな年齢になっても学ぶことを継続する、そしてそれは非常に楽しいことなんだ、というメッセージを学生達に伝えてくれたら嬉しいなと思っています。
 

ハーブの葉の表面を顕微鏡で観察する西村さん

川上助教が育てたハーブを使用

西村さんにとって顕微鏡を通して覗く世界は未知の世界

結果及び考察をしっかりまとめます

シソ科 ローズマリー 実体顕微鏡による観察:葉

セリ科 パセリ 光学顕微鏡による観察:茎